色を勉強して活かせる分野として、ビジネスでは商品カラーがあります。
色は、思っている以上に人の気持ちに影響を与えますが、
とくに パッケージの色は、商品の売り上げに直接つながることも!
今回は、サントリーの「伊右衛門」がお茶の色を変えて
コンビニでの売り上げを2倍にしたという成功例をご紹介します。
商品色彩は売り上げに直結するので、どのような色にするかはとても大切になりますね!
1.サントリー 「伊右衛門」の色彩戦略
おととしからサントリーの「伊右衛門」が、お茶の色を変えて
コンビニでの売り上げを2倍になったそうです。
実は、リニューアルをする前まで「伊右衛門」は
売り上げが4割程度落ちていてコンビニの棚落ちの危険まであったとのこと。
2.CMは良いのに商品が売れない!
伊右衛門のCMといえば、俳優の元木雅弘さんと宮沢りえさんが夫婦役で
「伊右衛門夫婦のこだわりのお茶」や「200年の歴史がある老舗茶房」
というコンセプトをテーマにしたCMを長くしています。
それは、「お茶が大好き」という
お茶のヘビーユーザーを意識したコンセプトだそうで
事実、CMへの評価はとても高かったようですし、実際にそのコンセプト自体はテレビを見ている多くの消費者にも伝わっていたと思います。
みなさんも「伊右衛門のCM」といわれてすぐにイメージがわくのではないでしょうか?
それでも肝心の商品が売れない!
そのような状態が続いていたそうで、
ある意味、CMによるマーケティング効果は薄くなっていると担当の人は考えたそうです。
それは、ペットボトルの緑茶市場全体を調べてみると、売り上げの大半は月に1本程度、買うか買わないか、のライトな層で、そこまでペットボトルのお茶に対して、
お茶本来の渋みや深みまでを求めていない人がお客様だった!
という事実がわかり、
それで今度は「お茶のイメージ」として高級感のある「淹れたてのお茶の緑を出す」ということを決めたそうです。
3.「お茶」の茶色は、渋みを出すカテキンが増え色
「お茶らしさ」の味を表現し、渋みを出す成分のカテキンが増えると、お茶の見た目は緑ではなく茶色になってしまうそうなので、緑茶ならではの、渋みがぎりぎり残る程度のカテキンを入れて
風味や味は出したうえで、抹茶らしい緑の色を表現したんだそうです。
実際、「渋み」などを売りにしている他のメーカーのお茶は、見た目は茶色をしていて、実際の販売としてはは減収している中、
「伊右衛門」は「淹れたて緑」で売り上げを爆上げしたとのこと。
4.一般の人が考える上質の「お茶」のイメージは緑!
今回の「伊右衛門」の消費者への購入意向を調査すると
「緑」だから!という答えがダントツに多かったそうです。
つまり戦略通り、
緑色=上質なお茶のイメージがつながったということですね。
写真でみるとわかるように
伊右衛門は、ほかのメーカーのお茶と比べて緑とわかる色をしています。
ただ、この3つを飲み比べたら
私は、味ではお茶の風味がやはりしっかりしているのは
「おーいお茶」だと思いました。
伊右衛門は、「水替わりにごくごく飲めるお茶」という
ポジションかと思い、そういう意味ではライトな感覚かもしれません。
いかがでしたか?
このように商品計画では消費者が購入する前に
まず商品を手に取ってもらうことから戦いは始まっています。
そのためには
いかにお客様の目を引き興味をもってもらうか、
がとても重要なので、商品カラーをどうするかはとても大切なテーマになることがわかりますね。
つまり商品カラーでは、赤だから売れる、とか青だから売れる、といった
単純な話ではなく、
使う人がどのような人なのか、
つまりはターゲットになる人たちの好みを調べ
売りたい商品をターゲットが求めるものに寄せながら
それを消費者に伝えるときは、
ターゲットにきちんと響くような色を使う、
ということが何よりも大切なポイントになります
そのために、色の提案をする際は、その目的にあわせて
色を整理・分析して、コンセプトに沿った色を提案できる力が何よりも必要になるんですね!
このように商品カラーはマーケティング戦略の一環として、計画的に行われます